TFCC損傷
TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手首の内側に位置する組織で、手首の安定性を維持するために重要な役割を果たしています。
TFCC損傷は、TFCCに損傷が生じた状態を指します。
主な原因は手首の怪我や繰り返しの過剰使用です。
適切な治療を受けることで、多くの患者さんは回復することができます。
症状
TFCC損傷の症状には以下が挙げられます。
- 手首の痛み
-
手首の内側(小指側)に痛みを感じることがあります。
- 強さの低下
-
手首や手の力が弱くなります。
- 炎症
-
手首周辺の腫れ、赤み、熱感があります。
- 手首の動きの制限
-
手首を動かすときに痛みや制限を感じることがあります。
- クリック音
-
手首を動かすときにクリック音がすることがあります。
これらの症状がある場合は、医師に相談することが重要です。
TFCC損傷は早期に治療を受けることで回復率が高くなります。
診断
TFCC損傷の診断には、以下のような方法があります。
- 症状と身体検査
-
症状や手首の動きを調べ、身体検査を行います。
- X線検査
-
TFCC損傷には異常が見られない場合がありますが、骨の損傷や変形を確認するためにレントゲン検査を行います。
- MRI検査
-
MRIは、手首の組織や骨の詳細な画像を提供するために使用されます。この検査により、TFCCの損傷やその程度を正確に評価することができます。
- 手首のテスト
-
手首の特定の動きを行う場合に痛みを引き起こす手首のテストが行われることがあります。
これらの診断方法を組み合わせることで、TFCC損傷の正確な診断ができます。
治療前に、正しい診断を確認するために医師の診断を受けることが重要です。
治療
TFCC損傷の治療法は、損傷の程度や症状によって異なります。
当院では、保存的治療を行なっています。
保存的治療
軽度のTFCC損傷の場合、手首を安静にし、痛みを軽減するために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することがあります。
リハビリテーション(物理療法)も、筋肉を強化し、手首の機能を回復させるために重要です。
リハビリテーションにより、手首の可動域を回復させ、手首の強度を回復させることができます。
リハビリテーション
TFCC損傷のリハビリテーションは、保存的治療後に行われます。
目的は、手首の可動性を回復させ、筋力を強化し、痛みを軽減することです。
以下は、一般的に行われるリハビリテーションの方法です。
- 筋力トレーニング
-
手首を安定させ、腕の筋肉を強化するために、ストレッチングと筋力トレーニングを行います。
- 柔軟性トレーニング
-
手首を回転させたり、屈曲させたり、伸展させたりすることで、手首の柔軟性を回復させます。
- 機能トレーニング
-
日常生活で必要な手首の動きを再現するトレーニングを行います。例えば、物を掴む、つかむ、握るなどの動作を練習します。
- 冷却療法
-
トレーニング後に、アイスパックや冷却装置を使用して、手首の腫れや痛みを軽減します。
リハビリテーションの期間は、TFCC損傷の程度や治療方法によって異なります。
理学療法士の指導の下で、適切なプログラムを選択し、リハビリテーションを行うことが重要です。
-
TFCC損傷って何だ?
2024/6/7
TFCC損傷って何だ? 腱鞘炎という言葉はよく聞かれますが、病院に受診するとTFCC損傷と言われることがあります。 腱鞘炎とTFCC損傷にはどのような違いがあるんでしょうか。 腱鞘炎とTFCC(三角線 ...