バイアグラを女性が飲むとどうなるのか詳しく解説していきます。
バイアグラって女性でも飲んでいいの?
女性がバイアグラを飲むとどんな効果が現れる?
バイアグラは、EDで悩む男性のため開発された治療薬です。
そんなバイアグラを女性が飲むと効果はあるのか、特に性行為での感度や濡れにくさなどで悩んでいる方は飲んでみたいと思ったことがあるかもしれません。
そこで本記事では、女性がバイアグラを飲むことによる作用やリスクなどについて詳しく解説していきます。
新千歳クリニックEDコラムサイトは医学的、専門的な内容のため新千歳クリニック理事長の宮井保尚監修の元制作しております。
経歴:久留米大学医学部医学科卒業
資格:日本整形外科学会認定専門医、日本整形外科学会認定リハビリ医、日本リハビリステーション学会専門医、日本人工関節学会認定医
所属:日本美容皮膚科学会
バイアグラを女性が飲むとどうなる?効果について

バイアグラを女性が飲んだ際にどんな作用があるのか、気になったことがある人もいると思います。
結論から言うと、女性がバイアグラを飲んだ際の効果は認められていません。
ではどのような変化が現れるのか、個人差はありますが詳しく説明していきます。
女性に対する効果は認められていない
バイアグラはEDで悩んでいる男性にとって高い効果が期待できるED治療薬です。
しかし女性がバイアグラを飲んだ場合には、男性ホルモンや性機能などへの影響は受けないため、効果は期待できません。
人によっては「性的感度が上がった」「濡れやすくなる」などと言った声もありますが、医学的な根拠もありません。
全身の血流が促進される可能性はある
バイアグラは、血管を拡張して血流を良くすることで勃起を促すという薬。
そのため、男性だけでなく女性が服用した場合にも全身の血流が促進される可能性があります。
血流が増えることで、感度が少し高まったという人もいるようです。
しかしこれは一時的な変化であって、性的興奮や満足感に直接繋がるというのは個人差があります。
女性がバイアグラを服用するリスクや危険性

女性の性のお悩みを解決するために「バイアグラを飲めば治るんじゃ?」という考えからバイアグラを服用する女性は一部います。
しかし女性がバイアグラを服用すると、思わぬ副作用や体調不良などの症状を引き起こす可能性があります。
安易に服用する前に、服用することの危険性についてしっかりと理解しておくことが大切。
女性がバイアグラを服用することで起こり得るリスクや危険性について、いくつかに分けて解説していきます。
副作用が出る場合がある
女性がバイアグラを服用した場合、体質や体格などによって副作用を引き起こす可能性があります。
- ほてり
- 頭痛・めまい
- 消化不良
- 吐き気
- 視覚異常
個人差がありますが、上記のような症状が強く出る場合があるため要注意。
また、バイアグラは男性向けに作られた薬のため、女性の身体では想定していなかった事態が起こることも考えられます。
日常生活に支障をきたす可能性もあるため、安易な服用は避けた方が良いでしょう。
女性への安全性は確立されていない
バイアグラは勃起不全で悩む男性のために開発された薬なので、女性に対する安全性は確率されていません。
女性を対象とした臨床試験も行われていないため、どのような影響を及ぼすのかについてのデータも不十分です。
そういった事から、バイアグラは女性にとっても安全な薬なのかは断言することは難しいので、医師に相談してみるのが良いでしょう。
医薬品副作用救済制度の対象外になる
男性がバイアグラを正しく服用している場合には『医薬品副作用救済制度』が適用されますが、日本では女性のED治療薬としては認められていないため対象外になります。
市販薬や処方薬を服用した際に保証される制度。
薬を正しく使用した場合にもかかわらず副作用が発生した場合に適用されます。
以下のような場合には対象外になります。
- 医師から処方を受けていない場合
- 個人輸入などで入手した薬の場合
- 服用した薬が本人のものでなかった場合
- 違う目的での服用が原因の場合 など
服用している薬が医薬品副作用救済制度が適用されているかどうか確認しておくことも大切です。
女性が自己判断でバイアグラを服用し、何らかの副作用が発生した場合でもこのような国の救済措置ができないリスクも考えられます。
万が一のためにも、服用するのは十分な注意が必要です。
女性用のバイアグラと呼ばれる薬剤はおすすめできない

近年では、女性用バイアグラと呼ばれる薬やサプリメントなどを多く見かけるようになりました。
「パートナーとの良好な関係を長く続けたい」「性欲を高めたい」というお悩みを持つ女性も少なくありません。
しかし、実際には認証されていないものも多くあり、効果や安全性が保障されていないため女性用バイアグラはおすすめできません。
では、女性用バイアグラにはどのような種類があるのか・おすすめできないのはなぜか詳しく解説していきます。
女性用のバイアグラと謳っている薬剤がある
『女性用バイアグラ』と呼ばれるものの中で代表的な薬剤が『アディ』と『バイリーン』です。
どちらもアメリカのFDA(日本で言う厚生労働省の機関)では承認されている薬です。
この2つの薬の特徴について、解説していきます。
アディ
アディは性欲が低下している閉経前の女性を対象に開発された『フリバンセリン』の薬物名です。
バイアグラのように血行を促進させるのではなく、脳内のドーパミンやアドレナリンの分泌を促進。
脳内の神経伝達物質に作用することで、性的欲求の回復をサポートします。
しかし、様々な副作用が報告されており、日本では承認されていません。
- めまい
- 吐き気
- 眠気
- 低血圧 など
アルコールと併用することで副作用のリスクが高くなる可能性もあるため、飲酒した時の服用は避けた方が無難。
また、心理的要因やパートナーとの関係などが原因による性欲低下の場合には効果が現れない場合もあります。
バイリーシ
バイリーシもアディと同様、女性の性欲低下障害(HSDD)のために開発された治療薬のひとつで『AMAGファーマシューティカルズ社』から販売されています。
バイリーシは注射剤となっており、性行為の約45分前に大腿部または腹部に自己注射器で注入するというのが特徴。
アディとは異なる点として、アルコールを摂取していても投与が可能です。
- 吐き気
- 頭痛
- 血圧の上昇
- 鼻づまり など
臨床試験では、摂取後に約4割の人が吐き気をもよおしたという結果が出ています。
こちらも日本では未承認の薬で、安易な服用や個人輸入などはリスクが伴うため要注意です。
日本では承認されていない
アディやバイリーシはアメリカでは承認されていますが日本ではまだ承認されていない医薬品です。
そのため、日本国内の医療機関で処方することはできず、ネットの個人輸入サイトなどからの入手となります。
しかし、安全性や品質が保証されていないため使用しないようにしましょう。
また、万が一副作用が発生した場合でも『医薬品副作用救済制度』の対象外となる可能性が高く、慎重に判断するのが大切です。
女性がバイアグラを入手する方法

女性がバイアグラを入手したいと思っても、医療機関などでは処方してもらえません。
では、どのような方法があるのか気になる人もいると思います。
実際に女性がバイアグラを手に入れるためには、どのようなルートがあるのか・危険性について解説していきます。
医療機関では処方してもらえない
バイアグラは日本国内で承認されているED治療薬ですが、あくまで男性で勃起不全に悩んでいる方が対象になります。
そのため、女性が性機能の改善目的で医療機関を受診しても、一般的にバイアグラを処方してもらうことはできません。
女性の性的欲求の低下などの治療には、バイアグラ以外の方法を行うのが望ましいでしょう。
- 女性ホルモン補充療法・・・更年期や出産後などのホルモンバランスが原因の場合
- 心理療法・・・パートナーとの関係や心理的ストレス・過去のトラウマなどが原因の場合
- 生活習慣の改善・・・睡眠不足や食生活・過労などの乱れが原因の場合
- パートナーとのコミュニケーションの改善・・・パートナーとの信頼関係や安心感を築く・性の悩みの共有などから改善する場合もある
上記のように、原因によって治療方法は異なるため、自分に合ったものを選んでみてください。
他人からの譲渡は違法になる
パートナーがバイアグラを飲んでいるから、自分ももらって試してみよう
余ってるから試してみたら?
上記のように、軽い気持ちから他の人が処方された薬を譲り渡す行為は、法律で禁じられています。
『医薬品医療機器等法』に違反する行為となり、違反者には罰金や刑罰に科される可能性があります。
個人輸入での購入は危険
ネットでバイアグラが販売されているのを見たことがある人もいるでしょう。
中には「医療機関で処方できないのならネットで買おう」と個人輸入サイトに手を出してしまう人も。
しかし、個人輸入の薬には様々なリスクが潜んでいます。
- 中身が偽物であるケース
- 不衛生な場所で製造されているケース
- 異物・不純物が混入しているケース
- 全く別の成分が混入しているケース など
上記のように、個人輸入で医薬品を購入するのは危険です。
健康被害へ影響が出る可能性もあるため、医薬品の購入は医療機関で診察し処方されたものが一番安全です。
バイアグラ女性が飲むとどうなるのよくある質問・Q&A

まとめ
今回は、女性がバイアグラを飲むとどうなるのか詳しく解説してみました。
バイアグラは男性に向けて作られたED治療薬のため、女性に対しての効果は明確には認められていません。
また、女性が服用することで重篤な副作用に繋がるなどのリスクもあるため、安易な気持ちで服用しないようにしましょう。
もし女性の性機能に対するお悩みがある場合は、その原因に合わせた治療法があるので医療機関に相談するのがおすすめです。