凍結肩 整形外科

凍結肩ってどんな病気?治療法はある?

凍結肩ってどんな病気?治療法はある?

凍結肩(とうけつかた)、または肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)は、肩関節の可動域が制限され、痛みを伴う状態を指します。
一般的には「五十肩(ごじゅうかた)」とも呼ばれ、特に中年以降に多く見られます。

凍結肩の特徴

  1. 痛み
    肩の痛みが主な症状で、特に夜間に悪化することがあります。
  2. 可動域の制限
    肩関節の動きが制限され、腕を上げたり背中に手を回したりすることが困難になります。
  3. 段階的進行
    • 凍結期(痛みが強く、動きが制限される)
    • 動揺期(痛みが減少し、関節の硬さが残る)
    • 解凍期(徐々に可動域が回復する)

凍結肩の治療法

  1. 薬物療法
    • 鎮痛薬や抗炎症薬の使用で痛みや炎症を緩和します。
  2. 物理療法
    • 理学療法士によるストレッチや運動療法で関節の可動域を改善します。
    • 超音波治療や電気刺激治療なども用いられます。
  3. 注射療法
    • ステロイド注射により炎症を抑えることができます。
    • ヒアルロン酸注射も痛みや可動域改善に有効です。
  4. 手術(稀なケース)
    • 症状が重く、他の治療法が効果を示さない場合に肩関節鏡手術が検討されます。
  5. 日常生活での注意
    • 過度な肩の使用を避け、適度な運動を心がけることが重要です。
    • 痛みが強い場合は、肩を冷やしたり温めたりすることで症状が和らぐことがあります。

凍結肩は時間とともに自然に改善することが多いですが、適切な治療とリハビリを行うことで回復を早めることができます。
症状が出た場合は、早めに医師の診断を受けることをお勧めします。

凍結肩の治療法「マニピュレーション」とは

凍結肩(肩関節周囲炎)の治療法の一つに「マニピュレーション」があります。
これは、肩関節の可動域を回復させるための手技療法で、特に関節が硬直し、他の治療法が効果を示さない場合に行われることがあります。

マニピュレーションの概要

マニピュレーションは、医師や専門の治療者が肩関節を無理に動かすことで、関節の可動域を改善する治療法です。
これには以下のステップが含まれます。

  1. 麻酔の使用
    • 患者は全身麻酔または局所麻酔を受け、治療中の痛みを感じないようにします。
  2. 肩関節の操作
    • 麻酔が効いている間に、治療者が肩を慎重に動かし、関節包や筋肉の硬直を解消します。
    • 急激な動きを伴うため、関節包の癒着を断裂させ、可動域を広げることが目的です。

マニピュレーションの利点

  1. 迅速な可動域の改善
    • 他の治療法に比べて短期間で可動域が改善されることが多いです。
  2. 痛みの軽減
    • 関節の硬直が解消されることで、痛みも軽減されることがあります。

マニピュレーションのリスクと考慮点

  1. 合併症のリスク
    • 麻酔によるリスクや、手技中の関節包や靭帯の損傷の可能性があります。
    • 血管や神経の損傷もまれに起こることがあります。
  2. 効果の持続性
    • 一時的に可動域が改善されても、リハビリや理学療法を継続しないと再発する可能性があります。
  3. 適応の確認
    • すべての患者に適しているわけではなく、医師の評価が必要です。

マニピュレーションは、他の治療法で効果が見られない場合や、迅速な可動域の改善が必要な場合に選択される治療法です。
この治療を受ける際は、経験豊富な医師の下で行うことが重要であり、その後のリハビリテーションも併用することで、より良い結果が得られるとされています。
治療を検討する場合は、医師と十分に相談し、リスクと利点を理解することが大切です。

マニピュレーションの方法には種類がある?

凍結肩の治療におけるマニピュレーション(徒手操作法)にはいくつかの種類やアプローチがあります。
それぞれの方法は、具体的な症状や患者の状態によって選択されることがあります。
以下に、一般的なマニピュレーションの種類を紹介します。

全身麻酔下でのマニピュレーション

この方法は最も一般的であり、以下の手順に従います。

  1. 麻酔の使用
    • 患者に全身麻酔を施し、治療中に痛みを感じないようにします。
  2. 肩関節の操作
    • 医師が肩を慎重に動かし、肩関節の可動域を広げます。
    • 動かし方にはさまざまなテクニックがあり、関節の前方、後方、外側への動きを行います。

関節鏡視下マニピュレーション

これは、マニピュレーションに関節鏡(内視鏡)を併用する方法です。

  1. 麻酔の使用
    • 患者は全身麻酔を受けます。
  2. 関節鏡の挿入
    • 小さな切開を行い、関節鏡を肩関節内に挿入します。
  3. マニピュレーションの実施
    • 関節鏡を使用して関節内の状態を観察しながら、適切なマニピュレーションを行います。
    • 必要に応じて、癒着した組織の切除も行われることがあります。

局所麻酔下でのマニピュレーション

全身麻酔を避けたい場合や軽度の症例に対しては、局所麻酔を使用することもあります。

  1. 麻酔の使用
    • 肩関節周囲に局所麻酔を施します。
  2. 肩関節の操作
    • 医師が肩を動かして関節包を伸ばします。
    • 全身麻酔に比べてリスクが低いですが、痛みが残る可能性があります。

4. ソフトティッシュリリース(軟部組織解放)

これは、筋肉や腱などの軟部組織に焦点を当てた方法です。

  1. 麻酔の使用
    • 必要に応じて全身麻酔または局所麻酔を施します。
  2. 軟部組織のリリース
    • 特定の筋肉や腱を伸ばし、柔軟性を回復させます。
    • 手技によって軟部組織の緊張を緩和し、関節の可動域を広げます。

マニピュレーションの方法には、全身麻酔下、局所麻酔下、関節鏡視下、軟部組織解放などの種類があります。
各方法には利点とリスクがあり、患者の症状や全身状態に応じて最適な方法が選ばれます。
治療の決定は、医師と十分な相談の上で行うことが重要です。

凍結肩

2024/6/25  

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