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凍結肩

長期間にわたり肩関節の硬さにより肩が上がらない状態になってしまう状態を凍結肩と呼びます。

洗濯物を干せない髪を触れない、エプロンの紐が結べないといった状態になってしまいますと、スポーツや仕事はおろか、家事などの日常生活にも大きく支障をきたしてしまいます。

 

凍結肩とは、肩関節周囲炎の一種で、肩関節周囲の組織が硬直し、動かしにくくなる病態を指します。

一般的には、肩関節周囲の炎症や繊維化が原因で起こります。

 

凍結肩は、以下の3つの段階に分類されます。

 

  1. 凍結前期:肩の運動範囲が制限され、痛みを伴うことがあります。この段階では、肩関節周囲炎の初期症状と似ています。

  2. 凍結期:肩関節周囲の組織が硬直し、運動範囲が大幅に制限されます。この段階では、肩を動かすことが非常に難しくなります。

  3. 解凍期:肩関節周囲の硬直が解消され、運動範囲が回復します。この段階では、運動による痛みが軽減されます。

 

凍結肩の原因は、明確にはわかっていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

 

  • 組織の炎症
  • 神経叢の圧迫
  • 組織の繊維化

 

まずは炎症が起こり、痛みのため動かさないことが続き、関節が硬くなってしまうことが繰り返されることで起きてしまうと考えられています。

 

症状

 

凍結肩の症状は、以下のように分類されます。

 

  1. 痛み:肩の痛みがある場合があります。この痛みは、肩の動きや圧迫によって悪化することがあります。

  2. 動きの制限:肩関節の動きが制限され、腕を上げたり、後ろに回したりすることができなくなります。特に、腕を上げることが非常に難しくなります。

  3. 硬直感:肩関節周囲が硬直し、腕を動かすときに違和感や硬直感を感じることがあります。

  4. 炎症:肩関節周囲の炎症が起こり、赤く腫れたり、熱感があったりする場合があります。

 

これらの症状は、段階的に進行する場合があり、凍結前期、凍結期、解凍期の3つの段階に分類されます。

凍結肩の症状が出た場合には、早期に医師の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。

 

診断

 

凍結肩の診断には、主に以下の方法が用いられます。

 

  1. 症状の詳細な聴取:医師は、痛みや動きの制限、硬直感などの症状について詳しく聞き取ります。

  2. 身体検査:医師は、肩関節の可動域や筋力、痛みの程度などを評価します。

  3. 画像検査:X線検査やMRI検査などの画像検査を行うことで、肩関節の炎症や変形、周囲の組織の状態などを評価します。

これらの診断方法を組み合わせることで、凍結肩の診断が行われます。ただし、凍結肩は他の肩の病気や障害と似た症状を引き起こすことがあるため、正しい診断を受けるためには、医師に相談することが大切です。

 

治療

 

リハビリや肩関節内注射の治療を行います。

このような治療を継続しても長期間改善しない場合や、凍結肩になってから時間が経っている場合、患者さまが早期回復をご希望の場合などは、マニピュレーション(関節受動術)を行います。

 

マニピュレーションは、当院の外来で日帰りで行うことができます。

マニピュレーションを行っても再発の可能性があり、施行後も十分なリハビリが必要となります。

 

凍結肩の治療には、一般的に以下のような方法があります。

 

  1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みや炎症を軽減するために、NSAIDsが処方されることがあります。

  2. 筋弛緩薬:筋肉の緊張を和らげるために、筋弛緩薬が処方されることがあります。

  3. フィジカルセラピー:ストレッチ、マッサージ、温熱療法、冷却療法、超音波療法、運動療法などのフィジカルセラピーが行われます。

  4. ステロイド注射:肩関節周囲にステロイドを注射して炎症を軽減することがあります。

  5. マニピュレーション:医師が肩関節を動かすことで、関節の可動域を改善することがあります。

リハビリテーション

 

凍結肩のリハビリテーションには、以下のような方法があります。

 

  1. フィジカルセラピー:ストレッチ、マッサージ、温熱療法、冷却療法、超音波療法などのフィジカルセラピーが行われます。これらのセラピーにより、筋肉の緊張を和らげ、可動域を改善し、炎症を緩和することができます。

  2. 運動療法:患部の痛みや違和感を軽減しつつ、肩関節の可動域や筋力を徐々に回復させるための運動療法が行われます。例えば、肩の外旋や内旋、上腕骨の屈曲や伸展、外転や内転などの動きを行います。

  3. 日常生活動作のトレーニング:日常生活で必要となる動作をトレーニングすることにより、肩関節の機能を回復させます。例えば、肩を上げる、荷物を持つ、腕を伸ばすなどの動作をトレーニングします。

  4. アクティブアシスト運動:別の部位から力を加えて肩を動かすことで、患部の可動域を拡大する運動療法が行われます。

  5. 身体操作:患者自身または理学療法士が、肩を動かすことで可動域を拡大する身体操作が行われます。

  6. ホームエクササイズプログラム:患者自身が自宅で行える運動療法プログラムが組まれ、リハビリの効果を高めるために行われます。

 

凍結肩のリハビリテーションは、患者の症状や進行度に合わせた個別のプログラムが必要です。

専門の医師や理学療法士に相談し、適切なリハビリテーションを受けることが重要です。

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