変形性膝関節症

変形性膝関節症

大腿骨と脛骨の表面を覆っている軟骨組織(半月板)がすり減っていくことで痛みが生じる病気です。

症状が進行すると膝が曲げ伸ばししにくくなり、痛みも強くなっていくため、生活に支障をきたすようになります。

主な原因は加齢による軟骨のすり減りで、特にほとんど運動をしない人は注意が必要です。

他に、肥満や膝を過度に使うスポーツも原因として挙げられます。

症状

立ち上がり、階段の昇り降り、歩行などでひざを動かすと痛みが起こります。

ひざをまっすぐに伸ばして立ったり、しゃがみ込んだり、正座したりといった動作が辛くなります。

炎症によって過剰に作られた関節液が、ひざ関節の中にたまります。

変形性ひざ関節症の主な症状は、以下の通りです。

痛み

ひざの痛みが主な症状で、特に歩いたり、階段を上ったり、立ち上がるなどの動作をすると激しい痛みが生じることがあります。
痛みは、長時間座ったり、休息した後にも現れることがあります。

関節のこわばり

関節にこわばりが生じ、ひざを曲げたり伸ばしたりするのが困難になることがあります。

腫れ

ひざ周囲に腫れが生じ、関節の可動域が制限されることがあります。

カクカクした感覚

関節がカクカクしたような感覚が生じ、スムーズな動きができなくなることがあります。

階段の昇降の困難

階段を上ったり下りたりすると、痛みやこわばりが生じ、動作が困難になることがあります。

足の付け根の痛み

変形性ひざ関節症が進行すると、ひざ以外の場所にも痛みが生じることがあります。例えば、足の付け根の痛みや、太ももの痛みが生じることがあります。

これらの症状は、個人によって異なる場合があります。

症状が出た場合は、早めに医師に相談し、診断・治療を受けることが重要です。

診断

変形性膝関節症の診断には、以下のような方法があります。

身体検査

痛みや腫れ、関節可動域の制限、変形や不安定性などを確認します。

X線検査

X線を撮影し、膝関節の変形や骨の異常を確認します。
病気の診断や進行程度はX線検査よって判断します。

MRI検査

軟部組織の異常を確認するためにMRI検査を行うことがあります。
半月板や骨の損傷の程度はMRI検査によって判断します。

歩行分析

歩行時の姿勢や歩き方の異常を評価することがあります。

血液検査

関節炎や関節リウマチの可能性を排除するために、血液検査を行うことがあります。

これらの検査を組み合わせることで、変形性膝関節症の診断を行います。

また、検査結果に基づいて、適切な治療法を決定することが重要です。

リハビリテーション

当院では積極的なリハビリテーションによる訓練を行なっています。

変形性膝関節症のリハビリテーションは、患者さんの症状や状態に合わせて個別に行われます。

以下は、変形性膝関節症のリハビリテーションにおいて一般的に行われることです。

運動療法

変形性膝関節症の場合、運動療法によって筋力を向上させることが重要です。
特に、膝周囲の筋肉の強化を目的としたトレーニングが有効です。

体重管理

適切な体重管理によって、膝への負担を軽減することができます。

サポート用具の使用

杖や歩行器などのサポート用具を使用することで、膝にかかる負担を軽減することができます。

機能訓練

日常生活に必要な動作やスポーツに必要な動作を行うトレーニングを行います。
例えば、階段の昇降や地面にしゃがむ動作などが含まれます。

マッサージやストレッチング

筋肉や関節周辺の柔軟性を高めることによって、痛みや不快感を軽減することができます。

温熱療法や冷却療法

温熱療法や冷却療法によって、炎症や痛みを軽減することができます。

変形性膝関節症のリハビリテーションは、患者さんの症状や状態に合わせて計画します。

理学療法士の指導の下、正しい方法でリハビリテーションを行うことが重要です。

治療

変形性膝関節症の治療法には、以下のような方法があります。

非薬物療法

体重管理、運動療法、サポート用具の使用、温熱療法、冷却療法、マッサージやストレッチングなどのリハビリテーションによる治療が含まれます。

薬物療法

痛みを軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤などの薬物が処方されることがあります。
また、関節内にステロイド注射を行うことで炎症を軽減することもあります。

治療法は、症状や状態によって異なります。

治療は、医師、理学療法士が協力して行います。

患者様が治療に積極的に参加して頂くことが重要になります。

関節内注射

ヒアルロン酸は関節の動きをなめらかにし、炎症や痛みを和らげます。

ステロイド剤は炎症が強い場合に使われることもあります。