ガングリオン
ガングリオンは、手首や足首などの関節周辺の軟組織に発生する、一種の良性腫瘍です。
一般的には手首の内側や足首の外側にできることが多く、液体がたまった袋状の腫れが特徴的です。
痛みやしびれ、機能障害を引き起こすことがありますが、大抵は良性であり、特に治療が必要な場合には手術による切除が行われます。
当院ではガングリオンの切除手術を日帰りで行なっています。
症状
ガングリオンの症状には以下のようなものがあります。
- 腫れ
-
手首や足首などの関節周辺に、球状または卵形の腫れができます。
大きさは数ミリから数センチに及び、触るとやわらかく、中には液体が溜まっている場合があります。 - 痛み
-
腫れた部位が動いたり圧迫されたりすると、痛みを感じることがあります。
痛みは、軽いものから激しいものまで様々です。 - 神経障害
-
ガングリオンが神経に圧迫をかけると、痛みや痺れ、その他の神経障害が起こることがあります。
- 機能障害
-
手首や足首の関節可動域が制限されることがあります。
特に手首にできる場合には、手首を曲げたり伸ばしたりする際に、ばねのように跳ね返るような感覚が生じることがあります。
これらの症状がある場合には、早めに医師に診察を受けることが望ましいです。
診断
ガングリオンの診断は、主に以下のような方法で行われます。
- 診察
-
腫れた部位を触診し、形状、硬さ、痛みの有無、周囲の変化などを確認します。
また、腫れた部位が圧迫されることで、痛みや痺れがあるかどうかも確認します。 - 超音波検査
-
超音波検査によって、ガングリオンの大きさや位置、中に液体が溜まっているかどうかなどを調べることができます。
- MRI検査
-
MRI検査によって、ガングリオンの内部の様子を詳しく調べることができます。
また、周囲の組織の影響なども詳しく確認することができます。
これらの診断を組み合わせて、ガングリオンであるかどうかを確定します。
治療
ガングリオンの治療には、以下の方法があります。
- 経過観察
-
ガングリオンが小さく、痛みや機能障害がない場合は、経過観察することもあります。
一定期間を経過しても症状が改善しない場合には、別の治療方法を検討します。 - 穿刺・吸引法
-
局所麻酔をして、針をガングリオンに刺して内部の液体を吸引する方法です。
痛みが少なく、入院不要で手軽に行えることから、比較的早期に選択されることがあります。
ただし、再発することがあるため、完治するまで経過観察が必要です。 - 手術
-
症状が重い場合や、上記の治療法が効果的ではなかった場合には、手術が行われます。
当院では日帰り手術を行なっています。
手術では、ガングリオンを取り除いたり、周囲の組織と共に摘出する場合があります。
手術後は、手術部位を保護するための包帯や固定具が必要です。
また、手術後はリハビリテーションを行い、手の機能を回復させることが重要です。
治療方法は、症状の程度や患者の状態によって異なります。
治療法を決定する際には、専門医の診断が必要不可欠です。
リハビリテーション
ガングリオンの手術後は、リハビリテーションが必要となります。
手術によって痛みや腫れが軽減されるため、早期にリハビリテーションを始めることができます。
以下は、ガングリオンの手術後に行われるリハビリテーションの一例です。
- 運動療法
-
手術後には、手の可動域が制限されることがあります。
リハビリテーションでは、手の動きを回復させるために、指や手首の可動域を広げるための運動を行います。 - 温熱療法
-
手術後には、手が腫れたり痛くなったりすることがあります。
リハビリテーションでは、手に温熱をあてることで、血流を促進し、炎症を抑えることができます。 - エレクトロセラピー
-
筋肉の収縮を促すために、電気刺激を用いたリハビリテーションが行われることがあります。
この方法は、手の力を回復させるのに役立ちます。 - マッサージ
-
手術後には、手がこわばったり筋肉が硬くなったりすることがあります。
リハビリテーションでは、マッサージを行うことで、筋肉の緊張を緩和し、手の動きを回復させることができます。
リハビリテーションの目的は、手の機能を回復させることです。
治療期間や回復の程度は、患者の状態によって異なります。
リハビリテーションの進め方や期間については、専門医や理学療法士の指示に従うことが重要です。